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クシクラゲはやっぱり変な生き物だった

Img_9289


今日の画像はクシクラゲ。
体のほとんどの部分が透明で、櫛板(くしいた)という繊毛のようなものがピラピラと常に動いています。
この部分に光が当たると、ネオンサインのように本当に綺麗に輝きます。


このクシクラゲ、実際にはテマリクラゲ類の神経系を調査・研究した結果が、Natureに掲載されています。
http://www.nature.com/nature/journal/v510/n7503/full/nature13400.html
より引用。

クシクラゲには神経も筋肉もあるよ


Natureに掲載された記事にはこんなことが書かれています。

神経系統の進化に関してはクラゲに限らず解明されていません。
ただ、クシクラゲに関しては他の原始的な動物とは異なり、複雑な神経系と筋肉系の両方を備えている。

...とのこと。
むむむ・・・。
ちょっと待ってください。
さらっと書かれていますが、クラゲには神経も筋肉もあるんです。
あんなに透明な生き物なのに!。

そしてさすが10億年のクラゲの歴史はダテではなかった!。

クシクラゲが、神経、免疫および発生に関連する遺伝子の含量の点で他の動物のゲノムと著しく異なっていることを明らかにした。我々の解析によると、クシクラゲが後生動物の中で最も早く分岐した系統として位置付けられる。クシクラゲの系統分岐の古さに関するこの説は、複数の遺伝子ファミリーの比較解析によって裏付けられ...


解析によると、クシクラゲは他の動物の中で最も早く神経系統などが発展していったらしいのです。
少なくともクシクラゲは私たちの祖先ではなく、独自の発展を遂げたようですね。


ということは・・・

クシクラゲの神経系と筋肉は、他の動物とは異なる独自の進化を遂げている...ということは、地球上においてクシクラゲは他の動物とは根本的に異なった生き物のようです。
これは勝手な想像ですが、あまりにもクシクラゲの成り立ちがヒトと違うとすると、『門』という分類からも外れ、新しい界ができてしまうかもしれませんね。

ちなみに界は生き物の最も大きな分類で、動物界、植物界、菌界、原生生物界、などに分類されています。つまり人とクシクラゲは同じ動物界の仲間です。


├動物界
├植物界
├菌界
├原生生物界
├ :

動物界の次に、刺胞動物門、有櫛動物門、脊椎動物門...などと分かれますが、ヒトは脊椎動物門、ミズクラゲなどは刺胞動物門、クシクラゲは有櫛動物門と分類されています。


├刺胞動物門 ← ミズクラゲ、アカクラゲなど
├有櫛動物門 ← ウリクラゲ、カブトクラゲなど
├脊椎動物門 ←ヒト
├ :

独自の神経系統の働きが解明されたら、それまでに全く思いつかなかった応用によって、医療を中心として私たちの生活が根本から覆るような科学が発達するかもしれません。
もし新しいクシクラゲ界、なんていう新しい分類ができたら、そのときにはまた新しい科学の地平線が見えたときなのかもしれません。
それはクラゲの未知の可能性が新しく発見されたときなのですから。

●クラゲの不思議な世界
http://www.jfish.net/

●平山ヒロフミ
info@jfish.net

●画像情報
撮影したカメラ:Canon EOS Kiss

●画像の作成:

Adobe Photoshop Elements

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